地球上空にコールドプラズマ雲が存在することが判明 月への距離の4分の1まで広がり宇宙気象にも影響していた!
地球の大気圏の最上層部から、少なくとも月までの距離の4分の1まで広がる“冷たいプラズマ”の
雲が存在することが、欧州の人工衛星クラスターから得られた新たなデータにより明らかになった。
冷たいプラズマ(動きの鈍い荷電粒子)は地球由来で、大気圏と宇宙空間の境目では太陽光が
大気ガスの原子から電子をはぎ取り、プラスの電荷を帯びた中心部分の原子核だけが残されるため、
こうした粒子の雲が生まれる。
これらの粒子は観測が難しいが、宇宙天気にも影響を与えているのではないかと疑われてきた。
こうした宇宙天気の例としては、1月23日に発生した太陽フレアとそれに起因する磁気嵐がある。
太陽で嵐が発生した場合、冷たいプラズマと同様の、ただし高速の荷電粒子が大量に地球を襲う
ことから、地球起因の荷電粒子についても宇宙天気との関連が想起された。
しかし、地球をめぐる冷たいプラズマの正確な量を把握しなければ、これが及ぼす影響について
もわからない。
「これはテレビで見る天気予報に似ている。基本的な変数を把握せずに、妥当な予報を行うのは
非常に複雑な作業になってしまう」と、スウェーデン宇宙物理学研究所のマッツ・アンドレ
(Mats Andre)氏は説明する。「この冷たいプラズマの発見は、地上の天気で言えば、気象に影響を
与える海が新たに見つかったようなものだ」。
◆冷たいプラズマが見つかるまで
地球の上空約100キロにある電離層については、何らかの冷たいプラズマの存在が既に指摘されていた。
しかしさらに上空、2万~10万キロの範囲にある粒子の雲に着目した研究者は、これまで稀だった。
アンドレ氏と同僚のクリス・カリー(Chris Cully)氏は、この領域にもプラズマが存在するのでは
ないかと考えていたが、プラスの電荷を帯びた宇宙船が調査の障害になることもわかっていた。
冷たいプラズマが生成されるのと同様のプロセスで、太陽光は宇宙船を構成する材料からも電子を
奪うため、その外殻はプラスの電荷を帯びる。そのため、磁石の同じ極を合わせた時のように、宇宙船は
周囲の冷たいプラズマをはじき飛ばしてしまう。
そこで、この冷たいプラズマを検知するため、アンドレ氏とカリー氏は欧州宇宙機関(ESA)の探査機、
クラスター2から得られたデータに存在する特異性を分析することにした。
クラスター2は極端な楕円軌道で地球を周回する4つの人工衛星の集まりだ。最も地球から離れた時、
衛星は地球と月との距離の半分の地点にまで達する。ここまで離れることで、太陽から発せられる“熱い”
荷電粒子の影響を含め、地球の磁場や電気的活動を徹底的に調査、監視することが可能になる。
クラスター2が集めたデータに見つかった特異性は、これらの人工衛星の周囲で動き回る冷たい
プラズマの衝撃波であることが明らかになった。
(>>2以降に続く)
▽ナショナルジオグラフィック ニュース
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120127001&expand#title
英語元記事 Giant Veil of "Cold Plasma" Discovered High Above Earth
http://news.nationalgeographic.com/news/2012/01/120126-solar-storm-cold-plasma-earth-space-science/
▽画像 地球を周回するESAの探査機クラスター2の想像図
http://images.nationalgeographic.com/wpf/media-live/photos/000/476/overrides/cold-plasma-above-earth-cluster-satellite_47690_600x450.jpg
▽Geophysical Research Letters
http://www.agu.org/journals/gl/
2 :星降るφ ★:2012/01/28(土) 09:40:48.78 ID:???
(>>1からの続き)
◆冷たいプラズマは宇宙天気の“巨象”
最終的に、アンドレ氏とカリー氏は、地球の磁場の果てに近い領域では、冷たいプラズマが全荷電粒子の
50~70%を占めていることを突き止めた。
この発見により、今後は予想以上に大量に見つかった冷たいプラズマを考慮に入れた新しい宇宙天気
モデルを作る必要があると、アンドレ氏は述べている。現時点では、この冷たいプラズマが太陽嵐などに
どのような影響を与えているのかはまったくわかっていない。
冷たいプラズマの影響についてアンドレ氏は、「宇宙天気に関しては小さいものではない。部屋に
大きな象がいる(誰もが認識しているがあえて触れない重要な問題の例え)ようなものだ」と述べている。
今回の冷たいプラズマに関する研究は、「Geophysical Research Letters」誌への掲載を許可された。
(記事引用ここまで)
【物理】 反磁性体とされてきた金(Au)が実は磁性体 高輝度光科学研究センター(JASRI)らが発見
高輝度光科学研究センター(JASRI)は1月23日、北陸先端科学技術大学院大学や香川大学、秋田大学、スペイン20+ 件・バスク州立大学らと共同で、
金にこれまで検出されていなかった新たな磁気的性質があることを発見したことを発表した。
発見はJASRI利用研究促進部門の鈴木基寛主幹研究員らの国際共同研究グループによるもので、成果は米科学雑誌「Physical Review Letters」オンライン版に日本時間1月25日に掲載された。
金は古くから研究されてきたこともあり、その物理的・化学的な性質はよく理解されている。錆びにくく酸などにも侵されにくく、そして軟らかくて加工しやすい、電気をよく通す、などといった性質から工業的にも多彩な応用が展開されている。
特に近年はハイテク材料としての利用が注目されており、鉄やコバルトといった磁性体と組み合わせることで磁気記録材料としての応用も検討されてるところである。
さらには、金をナノサイズの粒子にすると強い磁性を持つことが最近の研究で明らかになり、学術的にも応用の面でも興味を持たれている次第だ。
しかし、単体の金は代表的な「反磁性体」(反磁性とは、物質に磁場を加えた時に外からの磁場と反対方向に磁化が生じる現象のこと)として知られており、それ自身では磁石となるような強い磁性は持たないと考えられてきた。なぜ磁石の性質を持たない金がナノサイズになると磁石になるのかはこれまで未解決だったが、
今回の研究によってその謎を解き明かされたのである。
今回の研究では、マクロな大きさを持つ単体の金でさえも、常磁性といわれる明確な磁気的性質を持つことを明らかにした。大型放射光施設「SPring-8」では、放射光X線を物質に照射してそのX線吸収量(吸収スペクトル)を測定することで、試料の磁性を評価することが可能となる。
その測定は、磁性材料ビームライン「BL39XU」の「円偏光」(電界や磁界が螺旋状に回転しながら伝わる電磁波のこと)を用いており、「X線磁気円二色性分光測定(XMCD)」と呼ばれる。
XMCD測定法の1つ目の特徴は、高感度に微弱な磁気信号を測定できることで、その検出感度は高く、鉄の磁性に比べて10万分の1の大きさの信号まで検出を行える。
また、この手法のもう1つの特徴は、強磁性や常磁性といった電子スピンの関与する磁気的状態にだけ感度があり、反磁性の状態は検出されないこと。
放射光以外の従来の測定法では、すべての種類の磁気信号を区別せずに測定してしまうため、金の磁気的応答の内で最も大きな反磁性信号しか検出できなかった。
しかし、放射光を使った高感度XMCD測定により、反磁性信号に邪魔されることなく、より微弱な常磁性信号も確認できるようになったのである。
なお電子スピンとは、電子の1個1個が持っているミクロな磁石としての性質のことで、簡単にいうと電子の運動のことだ。磁性を持たない物質では、電子スピン=ミクロ磁石の向きがそろっていないため、磁石の性質は平均化されてゼロとなって、表には現れないという理屈である。
磁性体では、一定の数の電子スピンが同じ方向にそろっているため、電子の持つ磁石の性質がマクロな大きさにまで現れるというわけだ。
また、電子が原子核を周回する際の軌道運動もミクロ磁石として寄与する。スピンに対する軌道運動の割合が大きいと、その物質の磁化が特定の方向に向きやすくなる仕組みだ。
この性質を磁気異方性と呼び、磁気記録材料において重要な性質である。
2 :モグモグプフーφ ★:2012/01/24(火) 21:54:14.86 ID:???
■続き
実験で得られたスペクトルの解析によって、金の磁気的状態の詳細な情報が得られた。
具体的には、金は本質的には外から加えた磁場と同じ方向に磁化すること、
その磁化の大きさは磁場に対して完全に比例して変化することがわかった。
また、摂氏20℃から-271℃まで試料の温度を変化させても、その磁化の大きさは変化しないという結果も得られた。
これらの情報から、金は「パウリ常磁性」という、金属に特有の磁性を示すことが判明したというわけだ。
さらに、磁性のもとになっているのは、金の5d軌道の伝導電子であること、電子のスピンと電子の軌道運動の両方が磁性に寄与していることも明らかとなった。
軌道運動の成分の割合はスピン成分に対して30%ほどの大きさであり、その割合は鉄などの磁性体と比べて10倍も大きく、金という物質に特徴的な性質であることもわかったのである。
ナノ粒子の金についても同様の解析を行ったところ、やはり軌道運動による磁性の成分が30%あり、単体の金の結果とよく一致した。この一致から、電子の軌道運動は、
電子スピンを特定の方向に向かせる作用を持つため、大きな軌道成分がナノ粒子の強い磁性の起源の1つであることが確認されたというわけだ。ナノ粒子の金が強い磁性を持つ理由は、
金という物質そのものに存在する隠れた磁気的性質にあったのである。
金の常識的な特性として、教科書にも反磁性体として記されてきたが、今回の発見はこの常識に一石を投じる形だ。しかも、金ナノ粒子の磁気的性質にはまだ解明されていない部分があり、
今回の成果によってその理解が進むものと、研究グループでは期待を示している。
これまでのナノ粒子の研究では、粒子の大きさ、結晶構造や粒子の形状、粒子の表面原子の性質、あるいは粒子の周りに配位した有機分子との作用に注目して、
その磁性が議論されてきた。今回発見された電子の軌道運動という金自体が持つ性質を考慮に入れることで、ナノ粒子の磁性解明の大きな手がかりが得られる可能性があるという。
さらには、金だけでなく白金など貴金属のナノ粒子の磁気的メカニズムに対する理解が促進されることも考えられ、将来的にはこれらのナノ粒子を記録単位とした
超高密度磁気記録への応用も期待されると研究グループではコメントしている。
【宇宙】宇宙の周縁にあると考えられた未知の構造「暗黒流動」、超新星のデータが存在を否定
宇宙の外側にある観測不能な未知の構造が引き起こすと考えられている「暗黒流動(ダークフロー)」。
しかし、カナダ、ウォータールー大学の研究チームが、その存在に疑問を投げかけた。物質が同一方向に移動する不可解な動きを、超新星と既存の物理法則を用いて再検証したという。
2008年、アメリカ、メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターの天体物理学者アレキサンダー・
カシリンスキー氏らは、数百個の銀河団を測定し、観測可能な宇宙で、あらゆる物質が時速320万キロで同一方向に流れる暗黒流動を発見。既知の宇宙の先でも同様だと考えられている。
この発見は、全宇宙質量の分布状況からは説明がつかなかった。そこで同チームは、ビッグバン直後に物質の塊が既知の宇宙の外に押し出され、その引力が宇宙を牽引している可能性があると考えた。
2010年、同チームは2つ目の研究成果を発表。前回の2倍の数の銀河団を追跡調査した結果、暗黒流動は以前の報告よりもさらに遠く、地球から25億光年以上離れた宇宙まで及ぶ説を提唱した。
「正しいとすれば、暗黒流動は宇宙の概念を根本から覆す」とカシリンスキー氏は言う。既知の宇宙の外側に
大質量の構造が存在すれば、私たちの住む宇宙が“多世界宇宙(multiverse)”というさらに大きな宇宙の一部であることの裏付けになるからだ。
◆やはり他に宇宙はなかった?
銀河団ではなく超新星を分析したウォータールー大学の研究でも、同一方向に流れる物質の動きが検出された。
しかし、超新星のデータからは、この物質は地球から約2億4000万光年先をわずか時速90万キロほどで移動していることが示された。「ビッグバン理論の標準モデルから予想される値よりもわずかに速い。しかし、
宇宙の標準的な方程式と一貫しており、その差はたいした問題ではない」と研究責任者のスティーブン・
ターンブル氏は説明する。
この流れの発生要因は宇宙の外からの力ではないという。宇宙内に存在する1個の巨大な超銀河団、複数の超銀河団からなる集合体、あるいは、まだ観測されていないが識別可能な物体などの引力に影響されていると説明できる。
そうであれば、この流動は“暗黒(ダーク)”ではない。既存のモデルでは説明できない論点を示す場合、
物理学では暗黒という言葉を良く使う。
◆超新星が暗黒流動に光を照らす
カシリンスキー氏による暗黒流動の研究では、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)のわずかな温度変化の観測によって銀河団の動きをとらえた。CMBはビッグバンのわずか38万年後に放射されたマイクロ波とみられており、現在も宇宙を飛び交っている。
(>>2以降に続く)
スレ注 元記事「on the outskirts of creation」をナショジオの翻訳者が「宇宙の外側」と訳しています。
▽記事引用元 ナショナルジオグラフィック ニュース
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120123001&expand#title
英文記事 Unknown "Structures" Not Tugging on the Universe After All?
http://news.nationalgeographic.com/news/2012/01/120120-dark-flow-universe-multiverse-supernovas-space-science/
▽画像 宇宙に浮かぶ赤いガスの球体。近傍銀河で爆発したIa型超新星の残骸である。
http://images.nationalgeographic.com/wpf/media-live/photos/000/472/overrides/dark-versus-cosmic-flow_47214_600x450.jpg
▽arXiv.org掲載の論文要旨 Cosmic flows in the nearby universe from Type Ia Supernovae
http://arxiv.org/abs/1111.0631
2 :星降るφ ★:2012/01/24(火) 12:36:39.59 ID:???
(>>1からの続き)
CMBは、銀河団内部のガスを通過すると温度が上がる。同チームはこの温度変化を観測して、銀河団の
移動方向と速度を追跡した。
一方、ターンブル氏はIa型超新星に焦点を当てた。Ia型超新星はどれも明るさがほぼ同じなので、宇宙の
異なる場所にある物質の速度を測る指標「標準光源」として利用されている。
ターンブル氏の研究チームは、245個のIa型超新星のデータを分析し、半径約2億4000万光年の仮想球内における物質の集団運動を導き出した。「ある一定方向に動く時速は、89万6000キロだった。ただし、上下に
時速27万4000キロの幅がある」とターンブル氏は述べる。
この発見に対してNASAのカシリンスキー氏は、「動きの幅など、私たちの理論と矛盾する重要な点がいくつかある。今後検証して1~2年以内にはっきりさせたい」と語っている。
一方、ターンブル氏は、「測定の対象である銀河団と超新星は規模が異なるため、両方の結果は両立しにくいだろう。しかし、可能性はゼロではない」と話している。
この研究成果は、2011年12月にWebサイト「arXiv.org」に投稿されており、「Monthly Notices of the Royal
Astronomical Society」誌でも掲載される予定である。
(記事引用ここまで)
電圧で磁石のNS反転に成功 阪大チーム 省電力メモリー開発に期待
サブナノ秒の電圧パルスで磁極の歳差運動を利用した磁石の高速NS反転に成功 省
電力メモリー開発に期待―阪大チーム
鉄とコバルトの非常に薄い合金でできた磁石に、ごく短時間電圧をかけることで、N極とS極の磁性を自在に反転させることに大阪大のチームが成功した。
パソコンのメモリーとして現在主流のコンデンサーは、記録を維持するため常に電力を消費するが、磁石をメモリーに使えれば記録の維持に電力は不要となる。
大幅な節電になり、パソコンの電池の持ちを長くすることもできるという。
鈴木義茂大阪大教授は「大きな問題となっているIT機器の電力消費を大幅に削減できるかもしれない」としている。
鉄とコバルトの合金は、磁石として一般的に使われている。
成果は英科学誌ネイチャーマテリアルズ電子版に掲載された。
【資源】 愛知沖で世界初の本格メタンハイドレート試掘…2月中旬にも
- 1 やるっきゃ騎士φ ★:2012/01/19(木) 09:45:50.45 ID:???
政府は18日、日本の排他的経済水域(EEZ)内である愛知県渥美半島の南方沖70~80キロ・メートルの海底で、2月中旬をメドにメタンハイドレート掘削試験に入る方針を固めた。
次世代のエネルギー源として期待されるメタンハイドレートの海底掘削を本格的に実施するのは世界で初めて。
政府は来年には実際に採掘し、ガスを生産する試験を行う予定だ。
今回掘削を行う周辺海域には、日本の天然ガス消費量の十数年分と見込まれる約1兆立方メートルのメタンハイドレートが埋蔵されているとみられる「東部南海トラフ海域」があり、掘削試験の対象地点として有望だと判断した。
2011年度予算に関連経費として89億円を計上している。
液化天然ガス(LNG)は09年度の国内の発電電力量に占める割合が29・4%で、原子力(29・2%)や石炭(24・7%)、石油(7・6%)を上回っている。
東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、政府は原子力発電への依存度を長期的に下げる方針で、メタンハイドレートの商業化が実現すれば、我が国の電力供給体制の安定化に大きく貢献することが予想される。
◆メタンハイドレート=メタンガスと水が結晶化した氷状の物質。
深海底や永久凍土層のような低温高圧の地中に分布しており、
1立方メートルあたり160~170立方メートルのメタンガスを含んでいる。
普段は固体の状態となっているうえ、不安定で気化しやすいため、採掘が難しい。
1ビットをわずか12個の原子で記録する「世界最小の磁気記憶素子」が発明される
米IBM社の研究者らが、1ビット分のデータをわずか12個の原子に記録できる技術を開発した。
一般的な記憶装置の場合1ビットにつき原子が80万個は必要であり、12個の原子から記録装置を作成すれば現在のディスクよりはるかに小さなサイズになる。
12個の原子が8セット並んでいる。他のでっぱりは関係のないキセノンの原子。
米IBM社は1月12日(米国時間)、12個の原子の表面に1ビット分のデータを記録する技術を開発したと発表した。
世界最小の磁気記憶装置を作ることが可能になる技術だ。
物理学者はこれまで、磁気記憶素子をどこまで小さくすると量子力学の法則が優勢になり、データを確実に記録することができなくなるかについてはっきりわかっていなかった。
例えば、並べる原子の数を8個にした場合、安定的な磁性状態を保つことがまったくできなくなると、今回の発見に関わったIBM社の研究者アンドレアス・ハインリッヒは説明する。
「そのようなシステムでは、あるひとつの状態から別の状態への変化が、データ記憶装置とは言えないほど短い間に、そしてまったく自然発生的に、次々と発生する。
変化の回数は1秒あたり1000回に達するかもしれない」
もう1つの問題は、隣接するデータのビットが互いに干渉しないようにする方法だ。
現在のハードディスクは、強磁性構造として知られる構造にデータを記録している。
その原理は、方位磁針や冷蔵庫用マグネットと同じで、大量の原子がすべて同じ磁場方向を向く形で存在している。
だが、IBM社が開発した12個の原子から成るデータ記録装置は反強磁性構造を採用しており、隣接する原子が互いに反対の方向に向いている。
これは原子が互いに干渉しないようにするためであり、一度にわずか12個の原子でデータを記録するには重要な特性となる。
「強磁性体では、原子が一緒になって大きなスピンが発生し、その大きなスピンが隣の大きなスピンと相互に作用する。その結果、原子を個々に制御することができなくなる。反強磁性では大きなスピンは発生しないので、原子を密接させることができる」とハインリッヒ氏は説明する。
12個の原子から記録装置を作成すれば、現在のディスクよりはるかに小さなサイズになる。
ハインリッヒ氏と親交があり、ハードディスク・メーカーの日立製作所に務める技術者らの推測では、同社の記憶装置の場合、1ビットにつき原子が80万個は必要になるという。
ただし、この新しい記憶装置が動作する温度は1ケルビン(摂氏マイナス272.15度)だ。
これを常温で動作するようにした場合、1ビットにつき約150個の原子が必要になるとハインリッヒ氏は考えている。
なお、ハインリッヒ氏は研究に走査型トンネル顕微鏡(STM)を使用した。
これはIBM社の研究者らが30年前に考案したもので、原子レベルの観測が可能だ。
ホーキング博士「宇宙最大の謎は女性。彼らは完全なるミステリーだ」
「車椅子の物理学者」として知られる英国のスティーブン・ホーキング博士(69)が科学誌のインタビューで、
宇宙最大のミステリーは「女性」だと答えた。
ホーキング博士は8日に70回目の誕生日を迎えるのを前に、英ニュー・サイエンティスト誌の取材に応じ、
これまで犯した最も大きな失敗や近代科学への期待などについて話した。
その中で博士は、最も思考をめぐらすのはどういう問題かと聞かれ、「女性。彼らは完全なるミステリーだ」
と語った。
1988年の著書「ホーキング、宇宙を語る」で一躍世界中に知られたホーキング博士は、8日に誕生日を
記念してケンブリッジ大学で開かれる公開シンポジウムに参加する予定。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120107/scn12010708240001-n1.htm
日本が誇る次世代ロケット・イプシロンは開発者が「ロボケット」と命名する世界初の半自律型ロケット
1 そーきそばΦ ★:2012/01/09(月) 22:06:38.49 ID:???0
「新世代のロケット」と期待が集まっている。来年の夏、肝付町の内之浦宇宙空間観測所でM5ロケットに代わる小型の固体燃料ロケット、イプシロンが打ち上げられる。
開発に携わる研究者が鹿児島市で講演を行った。
講演を行ったのはJAXA宇宙航空研究開発機構の森田泰弘さん。
森田さんは2006年まで内之浦宇宙空間観測所から打上げられていたM5ロケットの後継機、イプシロンの開発責任者。
イプシロンの全長は24メートルでM5ロケットの約3分の2の大きさ。
打ち上げにかかる費用は約半分の38億円。短期間かつ低コストで作ることによって打ち上げの頻度をあげる狙いがある。
また、イプシロンには発射までの点検作業を自動で行う世界初の技術も導入される。
森田さんは「鉄腕アトムのように知能を持ったロボットのようなロケット、『ロボケット構想』と呼んでいる」と話す。
最終的には1年に2基ぐらいの頻度で打ち上げることが目標だという。
イプシロンは金星や木星などを遠隔観測する小型衛星を搭載し来年の夏、打ち上げられる。
【科学】宇宙からの素粒子「ミュー粒子」利用、福島原発炉心の透視作戦…名古屋大学グループ
東電などは同原発の廃炉に向け、今後10年以内に溶融燃料の取り出しに着手する計画で、それまでに燃料の位置を把握する必要があり、この技術開発を国も後押ししている。
グループは、同原発の放射線量が下がって、現場での作業が可能になれば実用化の研究に移る。
開発を進めているのは、名古屋大素粒子宇宙起源研究機構の中村光広准教授らのグループ。
レントゲンのエックス線の代わりに、素粒子の一種「ミュー粒子」を使う。この粒子は物質を貫通する力が強い一方、通り抜ける物質の密度が高いほど吸収され、数が減る。
このため、原子炉内を通過する粒子を観測すると、炉内密度の違いがわかる。
総面積1平方メートルの特殊なフィルムを原子炉の近くに設置。粒子の痕跡を写し出して内部を画像化する。
核燃料は鉄などの炉の材料に比べて密度が高く、燃料のある部分はフィルムに淡く写り、
溶融燃料の位置や形状が鮮明にわかることが期待される。
◆ミュー粒子=物質を構成する12種類の素粒子の一つ。電子とほぼ同じ性質で、質量は電子の約200倍。
宇宙からの放射線が大気と衝突する時に発生する。手のひらに毎秒約1個の割合で降ってくる。
(2012年1月7日14時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120107-OYT1T00500.htm
【科学】アメリカ・コーネル大学の研究チーム、光を曲げて時間の“穴"を作りだす手法で時間を完全に止める実験に成功
そして今回、アメリカ、コーネル大学の研究チームは時間を完全に止める実験に成功したという。
光を曲げて時間の“穴”を作りだす手法で、少なくとも見かけ上は時間が止まるそうだ。
この実験は、可視光線を屈折させて物体を見えなくする“透明マント”の研究成果に基づいている。
光が物体に当たらず避けて通った場合、その光は散乱も反射もしないため物体は不可視となる。
これが透明マントの発想だ。
研究チームは、この概念を応用して時間の“穴”を作り出すことに成功した。
ただし約40ピコ秒(1兆分の40秒)と極めて短い。
「光の速度を上げ下げして時間的な歪みを生じさせれば、時間領域で光線にギャップが生まれる。
その瞬間に起きた事象は光を散乱させず見えないため、起こらなかったも同然になる」と、研究に参加したコーネル大学の物理学者アレックス・ガエータ(Alex Gaeta)氏は解説する。
「例えば、貴重な展示物を守る博物館の防犯装置を考えてほしい。
行き交うレーザー光線を犯人が横切ると、検出器が反応して警報が鳴るシステムだ」。
「しかし、光線の一部で速度を上げ、別の部分で速度を落とせば、瞬間的に光線が途切れることになる。
このタイミングなら誰でも通り抜け可能だ。直後にすべての速度を正常に戻せば光線は元通り。
検出器は“異常なし”と判断してしまう」。
ナショナルジオグラフィック 2012/01/05
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120105001&expand#title
時間停止実験では、プローブめがけてレーザー光線を照射。
光線は「時間レンズ」という装置を通る設定にした。
従来の光学レンズを通った光は空間的に屈折するが、時間レンズでは時間的分布が変化する。
「光線の時間的な特性をコントロールできる。
時間領域で光を歪めて、実験のように時間の空白を生むことが可能だ」とガエータ氏は語る。
研究に参加したコーネル大学応用工学物理学部(School of Applied and Engineering Physics)のモティ・フリードマン氏は、特殊なガラス光ファイバーを用いた実験手法を考案。
プローブめがけて照射したレーザー光線と強力なパルスレーザー(細かく点滅するレーザー)を、その中で交差させた。
「光線の周波数と波長が変わり、スピードも変化した。これで時間のギャップが生まれた」と同氏は説明する。
時間の穴が生じた直後に第2のパルスレーザーで変化を解消すると、光線の特性は元に戻った。
この実験では、時間の穴で起こった事象はプローブで検出されなかった。
◆時間版“透明マント”のこれから
研究はまだ初期段階だが、時間の操作手法が確立されれば各種応用が期待できる。
「応用するには、まず時間の穴を大幅に拡張しなければならない。
あらゆる方向から当たる光で同様の結果を得られるよう、3次元での実証も不可欠だ」とアメリカ、ロチェスター大学光学研究所のジーミン・シー(Zhimin Shi)氏はコメントする。
「しかし、コーネル大学チームの実験は、最初の一歩として非常に意義深い。
われわれの暮らす時空の解明がさらに進んだと言える」。
実験の詳細は、「Nature」誌の1月5日号に掲載されている。
【動画】 超電導を利用して再現した反重力ミニ四駆 「ワイプアウト」が凄い これは完全に未来
超伝導を使って反重力レーシングゲーム「ワイプアウト」を再現(動画)
北陸先端科学技術大学院大学による、反重力レーシングゲーム「ワイプアウト」を再現した動画です。
超伝導の「ピン止め効果」研究の一環として、作成されました。このレーストラックを作成した研究チームは、近い将来、実物大のワイプアウトレースが可能になるだろうと予想しています。
レーシングカーから吐き出される白い冷気がレースの雰囲気をさらに盛り上げています。
今は液体窒素を使っていますが、超伝導がもう少し高い温度で発生させられるようになれば、子どものオモチャくらいのレベルなら、すぐに作れそうですよ。
リニアモーターカーくらいの速度が出そうなので、モーターカーに代わる次世代のレースカーとしても、もってこいですが...、人間が搭乗するのは、まだまだ先の話になりそうです。
※実際に走り始めるのは0:40辺りから
彗星、太陽からまさかの脱出…専門家「マジで度肝を抜かれた」
米航空宇宙局(NASA)は太陽のすぐ近くを通過した後、無事「脱出」に成功した彗星(すいせい)の映像を公開した。彗星は主に氷でできており、太陽に接近しすぎると数百万度もある太陽の高層大気(コロナ)の影響で消滅するのが普通だが、 特別に運がよかったらしい。
「ラブジョイ彗星」と呼ばれるこの彗星は、太陽のすぐ近くを通る軌道を持つ「クロイツ群」と呼ばれる仲間の一つで、オーストラリアのアマチュア天文ファンが昨年12月2日に発見したばかり。実際、同16日、
日本の太陽観測衛星「ひので」などが太陽に最接近するところを観測した。
そのまま消滅すると思われていたが、約1時間後に奇跡的に太陽の反対側から出てきた
ところを五つの衛星が観測した。NASAは「マジで度肝を抜かれた」との専門家の
コメントを紹介している。
ラブジョイ彗星は今回、太陽表面まで約14万キロ(地球と月の距離の3分の1程度)以内
まで接近したと考えられている。
http://www.asahi.com/science/update/0102/TKY201201020143.html
巨大な太陽光発電所を月に建設する構想 清水建設が提唱
人を幸せにする技術:清水建設 月にメガソーラー構想
昨年は、東日本大震災と原子力発電所の事故で、エネルギー問題を考え直す年になった。その一方で、将来にわたってエネルギー問題を一挙解決できるかもしれない夢の技術についても構想や開発が進んでいる。日本発の技術が世界のエネルギー問題の解決に大きく貢献する日が来るかもしれない。
一般家庭以外に、遊休地に太陽光パネルを敷き詰めるメガソーラーも広がりつつあるなか、
巨大な太陽光発電所を月に建設するという構想がある。大手ゼネコンの清水建設が提唱
する「ルナリング」構想だ。
月の中心の赤道上は、どの部分かはほぼ常に太陽からの光が当たっている。
これを利用するため、月の外周(約1万1000キロ)に太陽光パネルを敷き詰めて発電し、
マイクロ波やレーザー光に変換して約38万キロ離れた地球に届ける構想だ。
発電効率を4%程度と仮定すると、幅400キロの太陽光パネルの帯を月面に敷けば、
世界で使う年間の総エネルギーを賄うのに必要な8.8テラワット(1テラワットは10億
キロワット)を確保できるという。
課題は、言うまでもなくコストだ。月に建設資材を運ぶには、重さ1キロあたり1億円かかる。不確定要素が多いため総額は計算できないが、膨大な額になる。実現には、
宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米航空宇宙局(NASA)など世界の英知と
資金を集中させる必要がある。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111230mog00m040018000c.html
【日本始まった】世界初!藻の油70%混ぜ車走行に成功
世界初、藻の油70%混ぜ車走行に成功
筑波大学の渡邉信教授の研究チームと自動車メーカーのマツダが先月、水中などに生息する「藻」から採りだした
油を軽油に70%混ぜて、車を走らせるという実験を行ないました。
実験は成功。国際藻類学会によりますと、「70%」という高い割合で藻の燃料を使い、乗用車を動かす走行実験は、これが世界で初めてということです。(01日19:07)